競馬

30日に中京競馬場で行われた高松宮記念(GI)に出走し、7着に敗れたフサイチリシャール(牡5、栗東松田国英厩舎)が、レース後の検査で左前脚の腱が一部断裂していることが判明。これによりこのレースを最後に引退することが、フサイチネットより発表された。今後については未定。
 フサイチリシャールは、父クロフネ、母が99年4歳牝馬特別・西(GII)など重賞4勝のフサイチエアデール(その父サンデーサイレンス)という血統。 05年9月にデビューし、同年の東京スポーツ杯2歳S(GIII)、朝日杯フューチュリティS(GI)を制し最優秀2歳牡馬に輝いた。クラシック戦線では精彩を欠いたが、06年阪神C(GII)で重賞3勝目。最後のレースとなった高松宮記念は12番人気だったが、好位追走から直線で一旦抜け出し、勝ち馬から0.4秒差の7着と見せ場を作った。通算成績24戦5勝(うち海外1戦0勝、重賞3勝)。

ネットから拾ったコメント(netkeiba.comより)
1着ファイングレイン(幸英明騎手)
 4コーナーで全部かわせると思ったほど。強かった。この距離では本当に力を発揮してくれる。いい時にいい馬に乗せてもらえた。

2着キンシャサノキセキ(岩田康誠騎手)
 馬とケンカをしないよう心掛けた。先頭に立つのがやや早かったかな。初めて乗って、素晴らしいと思った馬だけに悔しいね。

3着スズカフェニックス(福永祐一騎手)
 あのつまずきは予想がつかなかった。スプリント戦では1つの不利が大きい。その後はうまく行っただけに残念だ。

4着ローレルゲレイロ(四位洋文騎手)
 上位3頭とは瞬発力の差かな。じっくり行けて最後も盛り返したからね。悔しさと頑張った気持ちが半分ずつという感じ。

5着スーパーホーネット(藤岡佑介騎手)
 初めての距離にも対応した。ただ4コーナーで手応えがいつもほどではなかったあたり、やはりマイルの方がいいかな。

幸英明騎手
 このレース初制覇。JRA・GIはスティルインラブで勝った03年桜花賞オークス秋華賞に続く4勝目で、スティルインラブ以外でのGI勝利は初。JRA重賞はファイングレインで制したシルクロードS(GIII)に続く今年2勝目、通算21勝目。

長浜博之調教師
 このレース初制覇。JRA・GIはアグネスタキオンで制した01年皐月賞以来約7年ぶりとなる通算5勝目で、古馬GIは初勝利。JRA重賞はクイーンC(GIIIリトルアマポーラ)に続く今年3勝目、通算28勝目。

フジキセキ産駒
 カネヒキリ(05年ジャパンCダート、06年フェブラリーS)、コイウタ(07年ヴィクトリアマイル)に続く3頭目JRA・GI勝ち馬。地方ではグレイスティアラが05年全日本2歳優駿(交流GI)、カネヒキリが05年ジャパンダートダービー(交流GI)、05年ダービーグランプリ(交流GI)を勝っている。また、現地時間29日には、ドバイ・ナドアルシバ競馬場にて南アフリカのサンクラシーク Sun Classique(牝4)がドバイシーマクラシック(首G1・芝2400m)を制覇している。

フジキセキ産駒ワンツー
 2着のキンシャサノキセキフジキセキ産駒。JRA・GIでのフジキセキ産駒ワンツーは初。ちなみに、キンシャサノキセキファイングレインは同世代で、ロジックが勝った06年NHKマイルC(GI)ではファイングレインが2着、キンシャサノキセキが3着だった。

●1200mのスペシャリスト
 ファイングレインは今回の勝利により芝1200mで4戦4勝。全5勝のうちこの距離で4勝(他に1600mで勝利)を挙げている。

●馬主・社台レースホース
 96年のGI昇格後、このレース初制覇。ソングオブウインドで勝った06年菊花賞以来のJRA・GI勝利。

●生産者・社台ファーム
 96年のGI昇格後、このレース初制覇。ダイワメジャーで勝った昨年のマイルCS以来のJRA・GI勝利。

関西馬
 03年ビリーヴ以来、関西馬は6連勝。96年のGI昇格後の優勝馬13頭中9頭が関西馬

●レースレコード
 勝ちタイムの1分07秒1(良)は、96年にフラワーパークがマークした1分07秒4(良)を上回るレースレコード。ちなみに、コースレコードは05年5月21日にシーイズトウショウが記録した1分06秒7(良)。

●5歳馬
 96年のGI昇格以降、5歳馬の勝利は昨年のスズカフェニックスに続く7勝目。年齢別の内訳は4歳2勝、5歳7勝、6歳4勝。

30日、中京競馬場で行われた春のスプリント王決定戦・高松宮記念(4歳上、GI・芝1200m)は、幸英明騎手騎乗の4番人気ファイングレイン(牡 5、栗東長浜博之厩舎)が、道中は先団の後方を追走。直線に向いて徐々に脚を伸ばすと、好位から抜け出しにかかった5番人気キンシャサノキセキをゴール前でクビ差交わして優勝した。勝ちタイムは1分07秒1(良)。連覇を狙った1番人気スズカフェニックスはスタートでやや立ち遅れ、直線で差を詰めたもののさらに1.1/4馬身差の3着に敗れている。
 勝ったファイングレインは、父フジキセキ、母はJRA3勝のミルグレイン(その父Polish Precedent)。伯母に95年愛オークス(愛G1)、ヨークシャーオークス(英G1)を制したピュアグレイン Pure Grainがいる血統。
 05 年9月のデビュー戦(札幌・芝1200m)、あけび賞(500万下)を連勝。3歳時はニュージーランドT(GII)2着から臨んだNHKマイルC(GI) でもロジックの2着に好走したが、レース後に右前脚種子骨の骨折が判明し、約1年の休養を余儀なくされた。復帰後しばらくは勝ち星から遠ざかっていたが、デビュー戦以来のスプリント戦となった淀短距離S(OP)で約2年2か月ぶりの勝利を飾ると、続くシルクロードS(GIII)も連勝。今回が3連勝での GI初制覇となった。通算成績15戦5勝(重賞2勝)。

30日、中京競馬場で行われた高松宮記念(4歳上、GI・芝1200m)の全着順、払戻金は以下の通り。

1 ファイングレイン 1:07.1
2 キンシャサノキセキ クビ
3 スズカフェニックス 1.1/4
4 ローレルゲレイロ 1/2
5 スーパーホーネット クビ
6 キョウワロアリング アタマ
7 フサイチリシャール クビ
8 ブラックバースピン 3/4
9 マルカフェニックス アタマ
10 プレミアムボックス ハナ
11 リミットレスビッド クビ
12 ペールギュント 1.1/4
13 プリサイスマシーン 1.3/4
14 ナカヤマパラダイス 1/2
15 エムオーウイナー ハナ
16 トーセンザオー クビ
17 タマモホットプレイ ハナ
18 マイネルシーガル クビ

単勝
4 710円
複勝
4 240円
10 300円
1 140円
枠連
2-5 2,700円
馬連
4-10 4,610円
馬単
4-10 8,750円
ワイド
4-10 1,550円
1-4 510円
1-10 770円
3連複
1-4-10 4,960円
3連単
4-10-1 38,840円

30日、中山競馬場で行われたマーチS(4歳上、GIII・ダート1800m)は、小原義之騎手騎乗の7番人気(単勝29.6倍)ナナヨーヒマワリ(牡7、栗東小原伊佐美厩舎)が、道中最後方追走から直線に向いて鋭く伸び、6番人気マコトスパルビエロを1/2馬身差交わして優勝した。勝ちタイムは1分51秒6(良)。1番人気のフィフティーワナーは、早め先頭から直線に向くも、さらに3馬身差の3着に敗れた。
勝ったナナヨーヒマワリは、父エアジハード、母は97年オークス(GI)2着のナナヨーウイング(その父セレスティアルストーム)という血統。03年8月のデビューから10戦目で初勝利。その後もダートの中距離戦で勝ち星を重ね、前走の北山S(1600万下、京都・ダート1800m)を勝ってオープン入りを果たしていた。通算成績47戦6勝(重賞1勝)。
 鞍上の小原義之騎手はタマモヒビキで制した02年小倉大賞典(GIII)以来約6年ぶりのJRA重賞制覇で通算4勝目。管理する小原伊佐美調教師も同レース以来のJRA重賞制覇で、通算では14勝目となった。

30日、中山7R・4歳上500万下(ダート1800m)で後藤浩輝騎手騎乗のトーセントゥルー(牡4、美浦後藤由之厩舎)が優勝。この勝利でブライアンズタイム産駒はJRA通算1300勝を達成した。これはサンデーサイレンス(2711勝)、ノーザンテースト(1757勝)、ライジングフレーム (1379勝)に次ぐ史上4頭目の快挙となる。
 これまでの主なブライアンズタイム産駒にはナリタブライアン(クラシック3冠、有馬記念などGI・5勝)、マヤノトップガン(菊花賞有馬記念などGI・4勝)、サニーブライアン(日本ダービー皐月賞)、タニノギムレット(日本ダービー)、シルクジャスティス(有馬記念)、ヴィクトリー(皐月賞)などがおり、JRA重賞は75勝(うちGI・23勝)を挙げている。